湿疹・アトピー性皮膚炎の中医治療

湿疹・アトピー性皮膚炎の中医治療

先日の皮膚病勉強会の内容の続きです。

今日の内容は、ちょいとマニアックです。

漢字も多いですし・・・(*´Д`)

雲南中医学院第一付属病院、

雲南中医院副院長・皮膚科学教授の

葉 建州 先生の講演です。


雲南中医院は、数年前に私も皮膚病の研修に行った所で

とにかく混雑している人気の病院でした。

中医学と西洋医学の両方ともある病院で

自分で好きな方を選択できる仕組みになっていました。

漢方の診察はとっても人気で、診察を受けるために

かなり並んでいるという状況だったのを覚えています。



湿疹は、「表皮及び真皮上層のアレルギー性炎症性皮膚病」で

中医学では、『湿瘡』という病名で

古典では、浸潤瘡、血風瘡(粟瘡)と呼ばれていたそうです。

慢性化し激しい痒みを伴うため、再発しやすいのが特徴です。

原因は、

素体不足つまりアレルギー体質など

体が弱っていることで、

これに食事などの不摂生が重なったり、

邪気の刺激によって発病するとなっている。

食事は、

  • 辛いもの
  • 脂っこいもの
  • 生臭いもの

などが胃腸を傷めつけてしまう。


湿疹は、3つに分類されて

「急性湿瘡」「亜急湿瘡」「慢性湿瘡」

急性湿疹の特徴

  • 皮膚は赤みが目立つ
  • ブツブツやジュクジュク
  • かさぶたが出来たり時に膿疱を伴う

激しい痒みに悩まされ、

夜は特に痒みが強く不眠傾向になる。

飲酒や掻爬、風呂温度が高かったりすると

悪化してしまう。

場合によっては、

倦怠感や発熱、イライラを伴う。

亜急性湿疹の特徴

急性湿疹よりも症状が軽くなり、

赤みや腫れなどの炎症症状が軽減する。

赤から暗紅色になり、

ブツブツやフケのような皮むけが多くなり、

一部に水疱などが見られる。

痒みは軽くなるが、

皮膚が敏感なため悪化と緩和を繰り返し、

徐々に慢性化していく。

慢性湿疹の特徴

皮膚が浸潤性局面、

肥厚、ゴワゴワして

キメがあらくなってくる。

色は褐色から紫などになってきて、

苔癬化、角化、掻破痕が目立ち色素沈着や

血のカサブタが出てくる。

痒みは持続し、

悪化と緩和を繰り返しながら数ヶ月から数年の間続く。

いろいろな要因により急性発作を起こしやすい。


弁証論治(タイプ分け)

  • 湿熱型(急性段階)
  • 血熱風燥型(急性段階)
  • 脾虚湿薀型(亜急性段階)
  • 陰虚湿薀型(慢性段階)
  • 陰虚血燥型(慢性段階)
  • 血虚風燥型(慢性段階)
  • 気陰両虚型(慢性段階)
  • 気虚血瘀型(慢性段階)

湿邪(体内の余分な水)と脾胃(胃腸)の関係がとても大切で、

明確な湿の症状がなくても袪湿すべき

これが湿疹を治療する上で大変重要な法則のようだ。

やはり脾胃を治療するのが大事で、

皮膚の状態が7割くらい安定したら

健脾で胃腸を丈夫にして、

水分代謝を改善することが重要、と。

そして、

回復期には養血潤膚をするのが良い。

治療の基本は、

まず、

症状としてあらわれている皮膚の炎症症状をおさめて(表面治療

それから本当の原因であるその方の弱い部分の改善に移る。(根本治療




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