蕁麻疹と漢方薬


定義

一過性で通常1〜数時間で消失する、痒みを伴った皮膚浮腫を主とする疾患。

頻度

20%ほどは一生のうち一度は発症すると言われている。一時点での有病率は0.5%以下。

症状

皮膚に痒みの激しい様々な形の膨疹(盛り上がり)ができる。数日で終わるものを急性型、一ヶ月以上繰り返すものを慢性型と呼ぶ。
重症例では、ショック症状、腹痛、呼吸困難などになるケースもある。


原因

局部的には、毛細血管の透過性亢進による血漿の組織内流出だが、この透過性亢進にはヒスタミン、セロトニン、PGD2、LTC4、LTB4、神経ペプチドなどが関与している。

とはいえ、明らかな原因が特定できない場合が多いが、これを『特発性蕁麻疹』と呼んでいて、その他『アレルギー性蕁麻疹』『非アレルギー性蕁麻疹』がある。


蕁麻疹の分類

蕁麻疹には、たくさんの分類があり多種多様となっている。


①急性・慢性蕁麻疹

原因がハッキリしないことが多く、全蕁麻疹の三分の二以上を占める。
原因が特定できる場合…

 

  • 食事(カニ、エビ、卵、貝類、青魚、食品添加物など)
  • 薬剤(抗生物質、サルファ剤、抗ウイルス薬、NSAIDsなど)
  • 吸入物(花粉、羽毛、香料、ホコリなど)

    これらであることが多い。

②人工蕁麻疹(皮膚描記症)

圧迫や摩擦により数分後に蕁麻疹が出現する。


③寒冷蕁麻疹

寒さや冷水などにより蕁麻疹が出現する。寒さにさらされた部位だけでなく、全身にまで蕁麻疹がおよびショック症状を来たす場合もある。(全身性寒冷蕁麻疹)
クリオグロブリン、クリオフィブリノゲン血症、梅毒性寒冷ヘモグロブリン尿症、慢性リンパ性白血病、伝染性単核症、ウイルス薬感染症、ストレス、遺伝などが背景にあることがある。


④コリン性蕁麻疹

疲れや緊張などのストレスがかかることにより、蕁麻疹が出現する。発汗を伴うことも多く、夜間には生じない特徴がある。夏に悪化する傾向がある。


⑤温熱蕁麻疹

温かいものに接するとその部位に蕁麻疹が出現する。


⑥日光蕁麻疹

日光にさらされた後10分ほどで出現する。


⑦接触蕁麻疹

皮膚表面より侵入した化学物質により出現する。
原因となるのは、毛、ダニ、フケ、レタス、アボカド、ニンニク、エビ、卵、香料、防腐剤などが多い。


⑧ウイルス性蕁麻疹

軽い発熱や風邪様症状、消化器症状を伴い、2週間ほどで改善する。原因不明なのだが、サイトメガロウイルス、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどの感染が関与していると考えられている。



改善症例

  蕁麻疹の改善例①


       約10年前から手足に強い痒みを伴う蕁麻疹

     皮膚科でステロイド軟膏と抗アレルギー薬で改善せず

         (茨城県古河市在住 20代女性) 


症状

『慢性蕁麻疹』

皮膚科で約10年間、蕁麻疹が改善しなかったのを見かね

ドクターから漢方の提案をいただき、ご来店いただきました!





体験談


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私は、10代の頃から10年以上にわたり手足の痒みに毎日悩まされておりました。

その為、皮膚科で処方された痒み止めの飲み薬とステロイドを毎日続けることで、痒みを抑えていました。


20代も後半になり、周りの同級生が結婚・出産を経験していく中で、私は果たしてこれからも薬に頼りながら生きていかなくてはいけないかと思うと不安を感じ、母の勧めで漢方を始めました。


担当の下田さんの的確な指摘とアドバイスで、実は痒みの原因を作っているのは自分の食生活や行動であることに気付きました。



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漢方に替えてからしばらくは、じんましんが引かずに苦労しましたが、漢方を続ける事と食生活の改善、肌ケア方法の工夫をする事で、すっかり蕁麻疹が良くなりました。


現在も、季節の変化や体の状態によってたまに蕁麻疹が出ることがあり、完全に無くなったわけではないので、これまで続けてきた事を継続していくことが大切だと思います。


今後もなるべく薬に頼らず、自然の漢方の力を時々借りながら克服していこうと思います。











  蕁麻疹の改善例②


          毎年冬になると発生していた蕁麻疹

        今年は皮膚科2件はしごするも痒みが悪化

           (高崎市在住 30代女性) 


症状

『蕁麻疹』

昨年11月から続く蕁麻疹による痒み

ステロイドを使用するも徐々にかゆみが強くなってきた!


ご来店前の状況


原因はよく分からないが、去年と一昨年の11月頃に蕁麻疹が出始めたご様子。一昨年は皮膚科に行き、ステロイドを使用しすぐに治まりその後も何事もなく過ごせていた。しかし、昨年11月の場合は同じようにはいかず。

まず皮膚科に行ったところ、病名は特に告げられず乾燥による痒みではないかと言われたようで、とにかくステロイドを塗るよう指示されたそうです。薬を塗っていたが、3か月以上治療しても治らないので高崎の皮膚科へ変えてみた。

アンテベート(かなり強いランクのステロイド)、レスタミン、ヒルドイドを使用するも改善しない。以前は夕方からの痒みだったが、今は一日中痒い状態が続くようになってきた!ということで困ってしまい、インターネットで検索して「蕁麻疹で困っているので漢方相談の予約をしたい」とお電話くださいました。

初めてのご来店時、聞いてみるとどうやらお酒やコタツなどが悪化要因な気がする、とのことでした。体内に不要なものが蓄積し、また、お酒の影響で内臓が疲れていると思われた。




     処方前(4月7日)             処方後(6月5日)

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経過

実際の病名は皮膚科でも不明との事でしたが、蕁麻疹か乾燥性湿疹なのか痒疹なのか?たとえ皮膚病名が全く分からなくても、解決法を見いだせるのが、漢方薬(中医学)の真骨頂です!!

お酒や温かいと悪化するとのことと、冬場に悪化することから考えて、乾燥対策と解毒が必要と判断。また、子宮筋腫、手足の冷えがあることから血行障害も考えられた。

これらを考慮した漢方薬とスキンケアを実行していただいたところ、初めの10日で「肌が少し潤ってきた!化粧水のパックが良いみたい(^^♪」「夕方はまだ痒いが、朝は痒くなくなった!」との事でした。この10日の間にアンテベートも中断したが、大丈夫なご様子。

その後は減薬し、2か月後には「もう全く痒くない」そうです!痒みが無いからか、体幹部のスキンケアはサボっているらしく、しっかりスキンケアしている腕と比較すると肌質に違いが出ていた!

ツルツル肌になるまでは、油断は禁物ですからね~と伝え、再発防止のために頑張ってもらっています(#^.^#)


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