掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症とは
(pustulosis palmaris et plantaris)PPP 皮膚科特定疾患
無菌的膿疱(aseptic pustule)を主体とする皮膚疾患。手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)によく出現し、反復性・難治性を特徴とする。状態が悪くなってくると、掌蹠だけでなく手足の甲やスネ、膝の辺りまで皮疹が出てくることがある。
何かをキッカケとして、周期的に改善したり悪化したりを繰り返すことが多い。悪化するときに膿疱が出現するが、この際に強い痒みに悩まされる方が多い。場合によっては亀裂を生じ、皮膚の痛みがひどい方もいる。膿疱には好中球が浸潤するが一部では好酸球が主体、または両者混合のこともある。
症状
手のひらや足の裏(特に土踏まず)等の毛孔の無いところに角化型の小水疱、小膿疱ができ周囲に赤みが出る。やがて融合していき、紅斑の上に多数の膿疱といった皮疹局面が出来上がる。
たいていの場合は左右対称で、痒みは無い場合もあるが、痒みに悩まされる方もかなり多い。悪化期と休止期を繰り返しながら、徐々に範囲が拡大していく。成年、女性に多い。
境界は明瞭で水疱、膿疱は無菌性。また、爪に点状の陥没や横溝などの変形が起こることが多く、その他10%くらいに骨関節炎(胸骨、肋骨、鎖骨、仙骨など)を生じ、痛みが強い。
多くの場合、水虫と間違われて白癬治療剤を用いて悪化することがあるので注意が必要。皮膚科で検査をすれば、水虫かどうか確定できる。
原因
基本的には、原因ははっきりとしておらずほとんどが原因不明。
- 病巣感染アレルギー説(虫歯、歯槽膿漏、扁桃炎、慢性副鼻腔炎、胆嚢炎、中耳炎、糖尿病など)
- 金属アレルギー説(歯科金属)
- 内分泌説
- 膿疱性乾癬の限局型説
- 腸内環境異常説
- ストレス
- 物理的刺激
- 生理不順
- 汗
など様々論じられるが、正確には不明。いくつかの要因が複雑に絡み合っている可能性大。
病院や皮膚科での西洋医学的治療法
- ステロイド軟膏の外用
- PUVA
- 病巣感染の処置
- 消炎薬
- ビタミンD3軟膏
- 抗ヒスタミン薬内服
- 抗アレルギー薬
- 抗生物質
- ビオチン
- サルファ剤
- エトレチネート
- 免疫抑制剤(MTX)
- 歯科金属除去
などで処置していきます。
養生法
病巣感染説があるので、
- 虫歯
- 扁桃炎
- 胆嚢炎
- 歯槽膿漏
- 中耳炎
等の化膿性疾患の治療をする。
お酒、タバコ、お肉、夜更かしが好きな方が多く、野菜が少ない方になりやすい傾向があるので食事や生活の見直しも重要。
改善症例
掌蹠膿疱症の改善例
掌蹠膿疱症の出血・皮むけによる痛み(40代男性)
症状
『掌蹠膿疱症』
貨幣状湿疹を10年以上患っており皮膚科での治療を受けていたが、
ある時から足の裏に膿疱が出来始め『掌蹠膿疱症』との診断。
治療を受けるも治らず、出血と皮がベロンと剥けて痛くて仕方がない。
状況
貨幣状湿疹を患っている間に、今度は掌蹠膿疱症にも悩まされるようになってしまいました。いわゆる普通の掌蹠膿疱症パターンとは少し異なり、膿疱が破れるのか皮膚が剥けて出血をしてしまい、とにかく痛くて痛くて歩くのも仕事をするのも何をするのにも非常に不便で困っていました。
皮膚科での治療は受けているものの、傷がふさがらないためいつまで経っても痛みが軽減されずに途方に暮れていたところ、インターネットで検索してご予約・ご来店いただきました。
改善前
改善後
経過
お話を伺ってみると、缶ビールが好きなこと、氷が好きなこと、末端冷え性がある事、舌の状態、家族内に皮膚の弱い方がいること、貨幣状湿疹ですでに10年以上悩まれていたこと等がわかりました。
この点から判断し、初めの一か月間はしっかりと漢方と外用治療を実践していただきました。開始から一か月ほどで出血はしなくなり、痛みも緩和されてきました。
写真は初回ご来店時の物と、3か月後の写真を比較してありますが、跡形もなくきれいな足になっているのが分かります!痛みも膿疱も再発していませんでしたので、ちょっと安心できました(^_-)-☆
貨幣状湿疹の治療をしていたわけではないのですが、こちらにも良い変化が出てきたとお聞きしました!やはり、免疫系が正常に近づいて自然治癒力が高まったおかげでしょう。このまま貨幣状湿疹まで気にならなくなれば、理想的ですね☆
掌蹠膿疱症の改善例
掌蹠膿疱症による手のほてりと痒み(60代女性)
症状
『掌蹠膿疱症』
皮膚科でマイアロン(デルモベート)を処方され
塗るとキレイになるが止めると悪化してしまう・・・
手を人に見られるのが怖く、お買い物ができない(+_+)
状況
半年ほど前に手のひらにブツブツと膿疱が出来始め、足の裏にも出現してきた。なかなか治らないので皮膚科を受診すると、塗り薬とアレルギーの薬を処方された。
もらってきた薬を塗ると簡単に治まったので、「治ってよかった~!」と思い、塗るのを中止。しばらくするとぶり返してくるので仕方なくもう一度塗る。これを何度も繰り返しているうちに、「あれ、これってもしかして治らないんじゃ!?」と疑問を持つようになった。
そこで、薬の成分を調べてみると『最強ランク』のステロイドであるデルモベートであることが分かった!ステロイドについて色々と知るうちに、使用し続けることに不安を抱くようになり、自己判断で中止した。
中止から10日ほど経過したころ、当店にご来店いただきました。お話を伺ってみると、発症した原因はよく分からないとの事でした。酵素も10年続けていて健康には気をつかっていたご様子。
しかしここ数年、化膿性脊椎炎やプチうつ状態になったりストレスを感じたりと、とてもベストとは言えない免疫状態だったようです。
更に、甘いものや肉類を好む傾向があるため、血液が濁り老廃物が蓄積していた可能性が高いです。
改善前
改善後
経過
掌蹠膿疱症歴がまだまだ浅かったためか、漢方開始からすぐに良い反応がありました。
しかし、ステロイド使用者にお決まりのパターンで、その後良くなったり悪くなったりの波を何度か繰り返しました。
外食やチョコなどで悪化等を経験し一喜一憂されてはおりましたが、徐々に小さな波になっている事と私の話を信じて頑張ってくださいました!
食事の見直し、考えかたなどを修正し、とにかく体調をよくすることを重点に置いて漢方を続けたところ、膿疱が全く出なくなりました(#^.^#)
先日お会いしたところ、膿疱とおさらばして以来柔らかい皮膚を保てているようでした。おかげで気兼ねなく手を出せるようになったと喜んでくださいました!!(お土産までいただきました~(^_-)-☆ご馳走様でした)
掌蹠膿疱症の改善例
50代後半から掌蹠膿疱症、痒みと痛み(60代女性)
症状
『掌蹠膿疱症』
皮膚科でアレルギーと言われていたていたが・・・
大学病院で掌蹠膿疱症と診断され、デルモベートを使用していた!
足の裏の痒みと亀裂による痛みが辛く、早く良くなりたい!!
状況
50代も後半になったころ、手のひらや足の裏の痒みが出始めた。しばらく放っておけば治るだろう、と思っていたが改善せずに痒みと皮むけがひどくなってきたので、皮膚科を受診。アレルギーと言われ治療をしていたが変化がなかったため、大学病院を受診すると『掌蹠膿疱症』と診断された。
それから抗アレルギー薬とアンテベート(かなり強いランク)、そしてデルモベート(最強ランク)を半年間使い続けていた。症状は緩和していたが、薬を止めることは出来ないし、足の裏の皮も厚くなり、硬いので亀裂が生じるようになり痛くて歩くのに支障が出るようになってしまった。
人伝に知った東京のクリニックに昨年末から通い始めたそうです。一年くらいは頑張って通ってみよう!と思っておりました。通い始めて4ヶ月、まだ掌蹠膿疱症に変化が出ていなかった時、ご家族の方がインターネットで当店のホームページでの改善例を見つけてくださり、ご来店されました。
現在のクリニックの治療も一応継続しつつ、それにプラスして漢方をやりたい!出来れば早く結果を出して、まずは足の痛みを何とかしてほしい・・・と。
改善前(2015.2.24)
改善後(2015.10.29)
経過
漢方薬と軟膏からスタートし、まずは亀裂を改善する事を優先しました。やはり毎日歩くので、亀裂が塞がってもまた再発と何度か繰り返しました。
手のひらと足の裏の痒みも4ヶ月ほど続いたが、その後急速に改善に向かいました。
8か月経過した現在では、パックリ割れていた足の裏もまるで別人のようにキレイになり、痒みも全く無くなってしまいました!
そして、手と足の爪が特にひどかったのですが、足の親指のみ残し美しい爪に生え変わりました(^^♪
手の右親指の厚み足の親指も真ん中より根本側は厚みが無くキレイな爪が生えてきていますので、ご本人様も喜んでおります。
さらにその後の写真を追加
(2016.9.12)
爪の変形が完治していなかった頃から約1年が経過し、膿疱が再発していないので
爪も完全に生え変わりました!!こんなにキレイな爪になりましたね(#^.^#)
掌蹠膿疱症の改善例
掌蹠膿疱症による足の皮剥け、痒み、痛み、膿(30代男性)
症状
『掌蹠膿疱症』
状況
初めに手のひらに湿疹が出来、半年後から足に拡大してきた。手のひらは足に比べると軽症だが、痛痒さがあり治らないので皮膚科を受診。3件行ってみたが病名などは言われなかった。その後、内科で『掌蹠膿疱症』と診断された。マイザー、オキサロール、漢方薬等を処方されていたが、ご来店時は写真の状態でした。膿疱が出てくる前の痛痒さが嫌な感じ。
改善前
改善後
経過
漢方を始めて一か月たった頃には、手の状態はほぼ大丈夫になったが、足はまだ痛痒さの後に膿疱が出てくる状態でした。二か月たった頃、ご本人からただ今絶好調!とのことで、酷かった左足の膿疱も縮小し痒みが消えてきた。
その後、胃腸の具合に応じて悪化することがあるが、程度は軽症ですぐに治まってくるように変わりました。継続して服用する内に、皮剥けも全くしなくなり、痒みが出ない状態が続いています。現在も、量を減らしながら服用継続中。ステロイドは全く使用しておりません。
掌蹠膿疱症の改善例
掌蹠膿疱症と漢方
治療前
10年以上もの間、掌蹠膿疱症に悩んでいて病院治療を受けていました。ステロイド外用剤を使用するも効果が出ず、少しずつ悪化。体調によって微妙に改善するときもあるが、膿疱が出る時の痒みがひどくイライラしてしまう。
また、この皮膚病特有の骨の痛みが出てきて、寝るのもしんどい状況に陥っていた。足の裏にも手と同様の症状が出ていた。
この方の治療後、その他の皮膚症例はこちら
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