原因
この皮膚病は、皮膚の神経が刺激され、痒みを覚えそれを掻いているうちに皮膚に変化が現れ、特有の苔癬化が顕著になってくる。神経性皮膚炎とも呼ばれている。
普通の湿疹のように、最初に皮膚に炎症症状が現れて、二時的に痒みが起こるものとは違っている。心因性要素が重視されており、感情的な不安やストレスが原因となって増悪する。
- 胃腸障害
- 心因性因子
- 金属による接触アレルギー
症状
中年女子の項部にできることが多く、他に四肢、前腕伸側、大腿内側、仙骨部、大陰唇、陰嚢にもできる。激しいかゆみが先行し、その後苔癬性丘疹が生じて苔癬化していく。境界明瞭な円形あるいは卵形の形状で、皮膚には浸潤が認められ肥厚して苔癬化(ゴワゴワ)、表面には落屑(フケ様の粉)がある。疣状増殖や色素脱失を伴うこともある。
痒みが強く慢性化し再発を繰り返しやすい。急激に改善したり、精神的ストレスで激しく悪化したりする。
西洋医学的治療法
- ステロイド外用剤(強力なランクのもの)
- 止痒薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬など)
漢方的治療法
- 清熱涼血(炎症を抑えて激しい症状を緩和する)
- 疎肝解鬱(肝の働きを正常化させ、気の循環を改善する)
- 気血双補(皮膚を作る力をアップさせ、皮膚に潤いをもたらす)
- 活血化瘀(血液循環を改善し、皮膚細胞に栄養を送り届ける)
- 寧心安神(精神状態を安定化し、ビダール苔癬の悪化要因であるストレスを緩和する)
これらを体質によって、又は状況によって使い分け症状を安定させる。更に、皮膚を強化することによって、再発しづらい肌、つまり根本的な治療を目指す。
養生法
- しっかりとした睡眠をとる
- 直射日光を避ける
- 物理的な刺激、摩擦を避ける様にする
- 掻破による悪化を防ぐ
- 衣服、特にナイロンや毛織物には注意。
- ネックレス、イヤリング等は使用しないように
- 二次感染予防に爪は切り清潔に
ビダール苔癬改善例
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